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「……あれ、動かなくなっちゃった…。あれ……。あれ…?あはは、はは……は…?また…?いや─。私は悪くない。悪くない。…大丈夫。大丈夫。ね?」
金髪の彼女と思わしき少女の声。情緒が明らかに不安定であった。バートリーは顔を覗かせる。その際に足音を立ててしまい、目の前の少女を驚かせてしまった。
「だ、誰?!」
振り返った彼女の顔は紅潮していた。彼女は、ふと、後ろで気絶をしている四人の存在を思い出したのか突然自身の肩を抱えて屈むと小さな声で「ごめんなさい」と繰り返した。
未だ、バートリーの動悸は治らない。
目の前で震えている彼女の頭を震える手で撫でる。
「引っ張らないで…。」
「…引っ張る訳、ないでしょう?」
「ほんと?」
「ほんと。」
「内緒にしてくれる?」
「…どうして?」
バートリーは、思わずそう尋ねてしまった。よく考えれば答えなど簡単に見つかるはずなのに─。
震えている彼女はゴシゴシと目を擦って、初めてバートリーと目を合わせる。そして肩を震わせながらバートリーの問いかけに答えた。
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