toma 1

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toma 1

この腕の中の愛しい存在が、実は夢だったのではないかと不安になる。 夜眠る時、腕の中に大切に抱えて眠るけど、夢から覚める瞬間、この腕が空っぽだったらどうしよう。そう思うと、眠りの底から浮上するそのあやふやな時間はとても怖い時間に変わってしまう。いくら幸せな夢を見ていても、目覚める瞬間はいつも恐怖だ。 だけど、いつもちゃんと変わらず存在するその愛しい存在に、僕は毎朝安堵する。 今日も僕の目が覚めようとしている。 少しずつ浮上する意識の中で、腕の中の存在を無意識に確かめる。 ちゃんといてくれる。 腕に感じる温かい存在。 それが夢や幻でないことを確認するために目を開けようとしたその時、その愛しい存在が擦り寄ってきた。そして感じる温かい思い。 大好き。 ちゃんと言葉として聞こえるわけではないけど、心がそう感じる。 それに驚いて目を開けると、その人が僕にぴったりとくっつきながら僕を見ていた。 「大好きだよ」 目が合うと、今度ははっきりとそう言って微笑んだ。そしてちゅっと小さくキスをする。おはようのキスだ。 「大好きだよ、当麻」 もう一度そう言うと、ぎゅっと抱きついてきた。 「おはよう、真琴」 僕はそう言って、真琴を抱き返す。 いつもは僕の方が先に目が覚めてその可愛い寝顔を見てるのに、今朝は真琴の方が早く目が覚めたらしい。 だけど、どうして『大好き』なんだろう? いつもは『おはよう』なのに。 寝ぼけてるのかな? そう思ったら、僕の首元に顔を埋めていた真琴が小さくキスをした。 「オレいるよ」 ちゅ。 「ちゃんといるから」 ちゅっちゅ。 「もう逃げないよ」 ちゅっちゅっちゅ。 真琴は一言言う度に、僕の首元を小さく吸う。 「ま、真琴?」 首元のキスは次第に大胆になり、真琴は耳たぶを噛んだ。 「いなくならないから。オレはちゃんといるから」 そう言って真琴は僕の耳たぶを食んだままちゅっと吸った。 そのいやらしさに、僕の下肢がずくんと反応する。 「こ、こら・・・朝だから・・・」 ただでさえ朝は敏感なのに、そんなことしたら・・・。 まだ耳たぶをくちゅくちゅ吸ってる真琴を引き剥がそうとするのに、真琴はぎゅっとしがみついて離れない。 「全然してないから不安になるんだよ」 その言葉にどきっとする。 「ちゃんとしっかり確かめないから、毎朝不安になるんだろ?」 そう言って内緒話をするように耳に小さく囁いた。 「しよ」 その言葉と官能的な妖しい香りが僕の下肢を直接刺激する。 知ってたんだ、僕の不安を。 だけど・・・。 「お腹の子に障るから・・・」 なのに真琴は自ら下肢を擦り付けてくる。 「もう安定期だよ」 ぐりぐり当たる真琴のそこも固くなってる。 「悪阻は・・・?」 「もう治った」 真琴の手が僕の前を布越しに撫でてくる。 「じ・・・時間が・・・」 すると真琴がばっと顔を上げて僕を睨んだ。 「時間はまだ全然早いよっ。お前、そんなにオレとしたくないのかっ」 語気を強めてそう言う真琴の目が、わずかに不安の色を帯びている。 真琴もだ。 きっと真琴も毎朝目覚める時に不安なんだ。 だから、僕の不安にも気づいたんだね。 僕は腕の中の真琴を仰向けにして、その上から覆い被さる。 「僕だってしたいけど、少し怖くて・・・」 そう言って真琴のお腹を撫でる。まだぺったんこのそこには僕たちの大切な命が宿っている。 「浅く・・・激しくしなかったら大丈夫だよ」 その手を上から重ね、真琴も一緒に撫でる。 「それにオレたちが仲良くしてたら、この子もきっとうれしいよ」 そう言って真琴は両手を僕の首に絡めて引き寄せると、唇を重ねて来た。 初めから開かれたその唇は僕を迎え入れようとしている。 「んん・・・」 その期待に応えるように舌を忍ばせて、僕は真琴の口内を大きく舐めあげる。 発情期以来の深いキス。
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