toma 1

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触れ合うキスも、服の上からの抱き合いも何度もしてきた。 しなかった時などなかった。 あいさつの度にキスを交わし、一緒にいる時は常にそばにいた。手が空いていれば当然のようにこの腕の中に愛しい真琴を抱きしめた。 だけどこんなにも身体が熱くなるキスは、番になったあの発情期以来だった。 自分で蒔いた種とはいえ、ようやく身を綺麗にして真琴に会いに行った時は悪阻真っ只中で、とてもそんなことをしてはいられなかった。それも徐々に落ち着いてはいったけど、お腹に宿る大切な命を思うとそんな気にもなれず、自己処理も真琴の見えないところでしていた。 だけどもしかしたら、真琴は僕がするのを待っていたのかもしれない。 僕が抱える目覚める瞬間の不安を、きっと真琴も抱えていたんだ。 僕がうなじを噛んだあの発情期のことを、僕は真琴に夢だと思わせていた。もしかしたら真琴の方が、僕より不安が強かったのかもしれない。 唇を離して真琴の顔を覗き込むと、真琴は身体をびくびく震わせながらその大きな黒い瞳を情欲で潤ませ、頬を上気させている。 その、なんとエロティックなことか。 「やさしくするから・・・」 そう言うと真琴は小さく頷いて、僕を求めるように両手を広げた。 発情期には無い理性が宿るその瞳は、自ら求めながらも羞恥に揺れている。 欲情だけではないその頬の赤さが、また僕の心を煽る。 「愛してる」 僕の言葉に頷く真琴の首筋に唇を埋めてちろりと舐めると、真琴の身体はさらにびくびく震えていく。僕ははそのまま舌を這わせ、寝巻きの裾から手を差し入れると脇腹を撫でながら背中を撫であげる。するとびくんと身体が大きく揺れる。本当なら胸を撫でてあげたいところだけど、妊娠で敏感になった胸は愛撫するには刺激が強い。だから背中を撫でながら徐々に下に滑らせ、ズボンの中でかわいく濡れている下のお口をそっと撫でる。 本当に大丈夫かな・・・? 少し不安になったのを感じ取ったのか、ぎゅっと抱きついてきた真琴が焦れたように大きく足を開く。 「早く・・・当麻・・・欲しい・・・」 息を喘がせながらのおねだりに思わず理性が飛びそうになるが、そこはグッと堪える。 「解さないと・・・大丈夫。ちゃんとあげるから」 再び真琴に口付けなら、後孔に指を差し入れる。そこは溢れるほどに潤い、僕の指を難なく飲み込んでいく。 大丈夫だとは言っても、長くならないようにしないと。 くちゅくちゅと指を動かしながら2本3本と増やしていき、十分に解れたのを確認すると僕は指をそっと引き抜いた。そして引き出しからゴムを取り出す。 これこそ発情期には使わなかったから、一体何年ぶりなのか・・・。 妙に感慨深げにそれを手に取り、素早く付ける。そして柔らかく解れたそこに、少しずつ身を沈めていく。 一瞬硬直する真琴の身体を宥めるように撫でてやり、最奥手前で止める。 これ以上はダメだ。 だけど真琴の腰がそれじゃ足りないと揺れだし、中は誘うように蠢いてくる。 「こら、これ以上はだめ」 持っていかれそうになるのを堪え、真琴の腰を摩る。思わず苦笑いになってしまったのは許して欲しい。僕も堪えるのに必死なんだから。 真琴も分かってはいるのだ。涙で濡れた目を細め、小さく何度も頷いている。 キレイだ。 その姿が本当にキレイで理性が焼け切れそうになる。それでも僕はそこまでで抽挿を繰り返し、真琴と己を高めていく。 「あっ・・・あ、あ・・・あ・・・っ」 僕の動きに乱れる真琴の姿にもっと気持ち良くさせてあげたいけど、長くなるのは良くない。 いつもは焦らしながらの腰の動きをそのままいっきに早めていく。そして・・・。 「ああ・・・ん・・・っ」 真琴がその背を仰け反らせて果てると、その締め付けに僕も爆ぜる。
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