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いつもの朝
ベッドの上で目が覚めて横を向いたら、この世の美しさを凝縮したような美貌の男が、半裸で横に寝転がっていたら、貴女はどうするだろうか?
赤面してガチガチに緊張する?
それとも自分の容姿と比べて落ち込む?
「・・・ねえ、何でそんな格好なのさ」
『起きたか。繋がってたからに決まってるだろう』
「・・・」
『大体に於いて、お前は幽界も霊界も神界も関係なく、フラフラしすぎだ』
「えー、だって友達がイッパイだし」
『・・・その度にあちこちの次元に散らばるお前のエネルギーを一つに括る愉しみはあるがな』
「う・・・ごめん」
『いや、愉しいぞ? お前は閨事が嫌いだったか? 』
「・・・ライコウとするのは、キライじゃない」
『じゃあ、良い』
頬に口付けを落とされ布団に潜り込む晶。顔はまあ、赤い。
これではライコウとセックスする為に異界渡りをしているみたいではないか?
そんな風に思われてるんだろうかと思ったら何だか急に恥ずかしくなったのである。
今日の予定は買い出しだけだ。
仕事の予約も無いのでのんびりできる。
そう言えば、コーヒー豆も切れたからマスターの店に行って、買っとこうかなぁ。
ぼんやり窓の外を見ながら、朝食後の細い葉巻の煙を燻らしていると、
『アキラ多分だが、バッテリーがヤバイ。足元に祖霊が来ている』
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