7人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
自分がすごいやつだと、気付いたのは小学生の頃。
きっかけは何となくだった。ゴミ箱に丸めた紙を投げると、それは導かれるようにそこへ入った。
おそらく、本能的な部分でそれを感じ取ったのだろう。何故か俺はゴミ箱に収まったそれを拾い上げ、今度は少し距離を取って投げた。またそれを拾い、さらに距離を……それを何度か繰り返し、俺は自分の才能に気が付いた。
どうやら俺は、人よりも飛び道具の扱いに優れているらしい。
日常生活ではそこまで役に立つ力じゃない。精々雪合戦で活躍できる程度だ。狩りの技術を求められる原始的な生活ならまだしも、現代じゃあまり必要とされていない。
そこで、俺は思い立った。確かに弓矢の時代は終わったけれど、使うのが弓ではなく銃だったら? それも、より正確さが求められる狙撃手なら、この才能を遺憾なく発揮させられるのでは?
その瞬間、自分の目標がはっきりと見え、肩がぶるりと震えた。
不吉な流れ星を撃ち落とす、選ばれし者たちの防衛組織。
そうだ、防星隊に入ろう。
最初のコメントを投稿しよう!