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医師「お連れは、鈴木さんであったか?」
田中「確かに鈴木だけれど。」
医師「率直にお伺いしたい。あなた方は。同性愛か?」
医師は慣れているのか、そのことを聞いてきた。俺は隠す必要もないと思ったが、一応鈴木に確かめる必要がある。
鈴木『こくり。』
鈴木は無言でうなずいた。つまりOKをもらえたということだ。
田中「そうだと、問題でもあるのか?」
俺は医師に詰め寄る。
医師「結果が出るまで、休んでいてくれ。彼は健康そうなので、なぜあなただけ調子が悪いのか気になっただけだ。」
結果が出るまで、俺は横になっていることにした。そばに鈴木が心配そうに付添う。小一時間ほどたったであろうか。奥から小柄な男性が姿をみせた。隣から見ていたときは、子供に見たがどうやら見間違いらしい。
医師「こちらにも事情があって。見られてしまったからには、後には引き返せない。覚悟は良いか?」
医師に何をされると言うのだろう。俺にはその覚悟の意味も、チンプンカンプンで分からなかった。
田中「何のことだ?」
医師「小柄の男に少々込み入った事情があって、経緯を説明すると長くなるのだ。」
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