4人が本棚に入れています
本棚に追加
これ以上、問い詰めることを避けた。
そして鈴木にチェックを頼まれていた台本にメモが挟んであったことに気付いた。
メモ『好きです。田中さん。』
田島は辞職したらしい。
鈴木「御飯食べに、行きませんか?」
俺は数日悩んだ末、鈴木と飯を食うことにする。いつもの居酒屋に入ると、そこには田島がいた。田島の方から部屋での一件は語られず、俺も慎んだ。なぜ店にいるのかと聞いたところ、店の方が給料も良くて元々掛け持ちしていたのでこの機会に、転職したらしい。
今また終電を逃がして今度は、鈴木が俺の家にいる。
鈴木「好きです。田中さん」
田島を忘れるため、近いうち引っ越すかもしれない。田島を忘れるため、鈴木と寝ている。ただ気になることがある。『田島の母親の病名なんて言ったかなぁ......?』ただ気になることがある。『Vサインに音が高い、そうHighだ。』、鈴木とベッドの中で眠りながらそのようなことを考えていた。鈴木と寝ていると言うのに田島のことを、考えてしまう。例えば最後に店で見かけたとき、やけに痩せていたことなどだ。
______引っ越し先のスタジオ現場
俺は鈴木とそうして、このスタジオ現場に引っ越してきたと言う流れだ。変わったことと言えば、以前は内陸だったが人工島でちらちらと星が輝いていてロマンティックなことだろうか?俺はと言えば引っ越したことで、田島のことは忘れられたかもしれない。今は鈴木が、いるので特に幸せではある。じき学生が現場見学にやって来るだろう。
鈴木「奇麗ですね。」
田島「そうだな。」
鈴木と空を見上げている。鈴木は作家なだけあってか、案外ロマンチシストだ。
最初のコメントを投稿しよう!