D on B

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俺は引っ越しの疲れか、体調がいまいち優れない。しかし鈴木がこの俺と、星空を見たいと言うので、付き合っている。  田中「鈴木。空模様が怪しげだ。そろそろ帰らないか?」  天際の向こうで雷雲が迫ってきている。俺は体調も悪いのですこぶる帰りたい。  鈴木「田中さん。このときのために、準備はしてきましたよ。それに終電は過ぎてます。」  鈴木は俺のことが、視野狭さくで見ていないのかテントを張り出す始末だ。俺は鈴木がテントを張り終えるまで、少し横になることにした。隣ではキャンピングカーで泊まりに来ている、子連れの若い夫婦もいたが、そんなことより人工芝が少し心地よい。  鈴木「田中さん。外で寝ると風邪引きますよ。」  田中「どうも調子が、悪くてな。」  俺は鈴木に促されるままテントに入る。そこには信じられないことに、簡易ベッドが一つだけあった。ランタンを差しよく見ても、ハンモックすら見当たらない。目を疑ったときに、体調が良くないことがハッキリと分かった。  田中「鈴木。体調が悪いんだが薬はないか?」  鈴木はランタンで、俺の顔を照らしそう白の表情を浮かべた。どうやらよほど悪いらしい。  鈴木「田中さん。どうして今まで黙っていたのですか?頭痛薬なのですけれど、少しは良くなるかも......」  俺は鈴木がコップに注いだ水で、頭痛薬を飲む。  田中「少し眠るよ。」
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