エピローグ

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エピローグ

 その日、ロシアとウクライナは停戦して、ロシア軍はウクライナから撤退することになる。  ブーヂン大統領の脳に巣食った腫瘍がどうして彼を狂わせていたかは分からない。ただあの腫瘍が悪魔の様な意志を大統領に植え付けていたとすれば、私の手術でロシアからその悪魔を追い払う事が出来たのかもしれない。もし今回のドクターコールでこの戦争を止める事が出来たとしたら、それは大変嬉しい事だ。  ウクライナには平和が訪れたけど多くの人々が犠牲となった。正気を失っていたとしてもブーヂン大統領は、その罪を償う事になるだろう。  その時、私のスマホが鳴った。 「田川です。はい安村部長。ええ、分かっています。ドクターコール、日本の患者さんの緊急手術ですよね。はい、ブーヂン大統領がロシアの超音速機で日本に私を送ってくれます。モスクワから三時間半で日本に着くそうです。手術は一日遅れになりますが……。はい、それでは日本で」  私はこれからもドクターコールで呼ばれる事に誇りを持って、世界中を飛び回るつもりだ。私の全身全霊を掛けて患者さんを治す為に……。 FIN
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