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スーパードクターを呼べ
目を覚ますと、そこは病院のICUだった。俺が意識を取り戻した事に気付いていないのだろう、ベッドの脇で二人の男が話をしている。
「先生、ドミトリの容態は?」
「原因は脳腫瘍です。既に五センチに巨大化していて聴力と平衡感覚に影響が出ています。更にまずいのは腫瘍が重要な神経や血管を巻き込んでいて、このままでは命の危険があります」
「彼にはこれまでの罪を償って貰わなければなりません。何とか治療して頂けますか?」
「残念ながら腫瘍があるのは脳の深部です。脳や神経を傷つけず到達するのは大変困難なのです。この病院での手術は不可能です」
「そんな……」
「ただ、もしかしたら日本の脳外科のスーパードクター・タガワなら可能かもしれません」
「日本の? 分かりました、費用はこちらで負担します。そのドクターを呼んで下さい」
その言葉を聞きながら、再び俺の意識は失われていった。
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