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プロローグ
僕は隣の寮室の同級生と体を重ねながら、快楽と満足感に浸っていた。
「ここが良いんだろぉ?」
同級生が耳元で囁く。それと同時に、クラリと視界が歪んだ。
「っや、やだぁ! だめぇ!」
僕はできるだけ女の子みたいな悲鳴をあげて、僕のナカに入っている彼のアレを締め付ける。
「おっ、おぉ~っ、良いね、良いね!!」
彼は調子に乗ると、さらに僕を突き上げてきた。やだぁ、腰が早いよ~♪
「あっあー! き、気持ちいい、こんなの、初めて!」
本当に、僕は初めてだ、こんな快楽。
──は、初めて。そう、初めて。
「んっ、あっ、…あぁ…?」
クラリと視界が歪む。僕は…俺は、何をしているんだろう? この止まらない快楽は何?
「あ、あつい。あつい!」
「ん? 暑い?」
どうやらこの部屋にも誰かがいるようだ。俺は頑張って辺りを見回してみるが、視界が霞んでよく見えない。
「うあっ、裸なのに、あつい…ジンジンする。やだ、やだ。」
かろうじて俺の体が見えた。俺は裸になってベッドの上で寝ているらしい。そして俺の股間のあたりで、知らない男が座っている。
そして、俺のアレは勃っていた。
「あっ…? あぁっ、う…?」
男は腰を振っていた。俺は男が腰を振る度に、思考が溶けそうな思いになる。
な、なんだこれ。俺はこんなの、知らない。
「鷹野…どうしたの?」
男は優しそうに微笑んだ。
「ど、どうして俺の名前を知っている…?」
「へ? あぁ、わかった。俺が好きなシチュエーションに合わせてくれたんだね?」
男はさっき以上に興奮すると、より腰を強く当てた。俺は思考が弾け飛びそうになる。
「あっ、ぐっう、──っ、やめろっての、この変態野郎が!!!!」
俺は力を振り絞って、男をドンと押しのけた。男はフラフラと足場を崩すと、ドシンとベッドから落ちる。俺は自身の荒い息を、必死で整えた。
「酷いじゃないか、鷹野。」
男のアレの先からは、つーっと液体が垂れていた。俺はそれを見て恐怖に包まれる。それでも男はいまだに笑い続けながら、立ち上がり、こちらへ近寄ってきた。
「く、来るんじゃねぇ!」
俺はとりあえず、近くにあった枕で股間を隠した。…お、俺、今この人と…。
俺と変態男が睨み合っていたところ、外からドタバタと大きな足音が聞こえてくる。その主は俺の部屋の前で止まると、ドンと勢い良く扉を開け放った。
「隼斗! 無事!?」
そこにいたのは、俺の弟だった。隼斗という俺の下の名前を呼ぶ声に、心なしか胸が暖かくなったのは確かである。
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