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基本的な戦略
アカルイナ公爵の羽根に生気がなくパサパサしている事に気づいた、ヤブにこ先生は、こう尋ねました。
「公爵は、最近、あまり眠れていないのではないですか?」
「当然です。この状況の中で、落ち着いて眠れる訳がありません。」
「公爵!そんな浮わついた心構えでは戦いに勝つ事はできませんよ。まず、アカルイナ公国の大黒柱であるアカルイナ公爵ご自身の健康が第一です。兵士たちが命がけで戦っているのは国と家族と国王である公爵を守るためです。公爵が倒れてしまったら、国の存続は難しくなるでしょう。」
「た、確かに、、」
「公爵にとって今、一番大切なことは、ご自身の心身の健康を守る事です。誰よりも元気でいる事です。そのためには、よく眠り、よく食べることです。」
「ああ、さすがです。ヤブにこ先生。おっしゃる通りですな。」
そんな話をしていると、兵士が早速、美味しそうな料理を運んで来ました。
「先生、どうぞ召し上がって下さい。お互いの元気と健康のために美味しく食べましょう!」
「こんな戦いの最中、これだけの食材を調達するのはどれだけ大変でしょう。国民みんなが、どれだけ公爵を大切に思っているか、料理の輝きに、その思いがあふれていますね。」
食べ終わる前から公爵は、何度もあくびをしかけては我慢している様子。
「公爵。食事が済んだら、一度、ぐっすり睡眠をとって下さい。それは重大な戦略の一つです。強靭な心身を作り、維持するための、基本的戦略です。」
食後、公爵は、ヤブにこ先生を、とあるシェルターに案内しました。
「私は今、ここで眠っています。隣のスペースに先生のベッドも用意してございます。何かあれば側近の兵士が起こしますから、先生も、どうぞお休み下さい。眠れるうちに眠っておきましょう。」
ヤブにこ先生の戦地での頭脳戦が始まりました。
ヤブにこ先生は旅の疲れを癒すため、すぐベッドに入り目を閉じました。
ブタとカラスの戦い。
知能的にはカラスの方が優位かもしれないが、ブタの体力はハンパない。
まともにやりあって勝てる戦いではない。
何か大胆な戦略が必要だ。
そんな事を思い巡らしながら、ヤブにこ先生は深い眠りに落ちました。
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