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エピローグ
「え?もっと若い子がいいんだけど。」
ドアの奥から現れた男性は、心底がっかりした様子で言った。
― うるせぇな。こっちだってもっと若い方がいいんだよカス。見たとこお前50代だろ?
― 何だよそのガッタガタの歯並び。奥歯なんか真っ黒じゃん。きったねぇな。
「えーそんなこと言わないでくださいよお、今日は楽しい時間を一緒に過ごしましょ?ね?」
心の中では毒を吐きまくっていたが、私は作り笑顔を浮かべて言った。
「田中さんすっごくタイプだから精一杯サービスしちゃう」
甘えた声を出しながら田中という歯並びの汚いおっさんの手を握ると、田中は赤面しながら
「まあ、ちゃんと仕事してくれるならいいけどぉ…。時間もったいないからさっそく始めよう」
と、私に早く部屋に入るよう促した。
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