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「大丈夫ですか!?」
男に支えられ、ベッドに腰を下ろす。
信じられない思いで、自分の頭を抱えた。
まさか、こんな目に遭うなんて…京子はこうやって人妻を集めて、羞恥心の塊のようなパーティーを開いているんだ。
夫がいる身でありながら、自ら望んで他の男に抱かれるなんて考えられない。
「しばらく落ち着いたら、2人で外に出ましょう」
「はい…ありが、とう」
からからに喉が渇き、うまく声が出ない。
「ここなら安全だから」
優しく声を掛けてくれる男に、心から感謝する。
この人がいなかったら今頃、私…。
恐怖でぶるっと肩を震わせる。
もう絶対に、あの女とは関わってはいけない。
一刻も早くこんなところから出たいけど、どうやら酔いが一気に回ってきたようで…。
もしまた襲われそうになったら、スマホで警察に連絡しよう。
そう思ってスマホを取り出そうとしたが、手が痺れて取り落としてしまった。
「あ、頭が…」
船酔いしたようにクラクラし、地面が大きく波打っている。
「どうかしましたか?」
「き、気分がっ」
藁にもすがる思いで、男の腕にしがみついた。
助けを求めるように顔を上げると──マスクから覗く目が私を見下ろしている。
「やっと効いてきたのか」
「えっ…」
「もっと早く効くって話だったのに」
冷たい声に豹変した男が、何を言っているのか分からない。
「僕がアテンドを頼まれたんでね」
「アテンド…?」
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