会話

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会話

「最近、お父さん腰が痛くてな」 やや心配させながら、会話に繋げやすい話題を降る父 「そうなの?大丈夫?」 心配する娘 「あぁ 今のところは」 若干の不安を匂わせながら、ぐいっとビールを飲み干す父 酔いが回らないと中々本題を切り出すことは難しい。 とは言ってもこの2人の本題が共通していることはお互い分かっている。 「はい、シロとレバーとカシラ」 出来立ての焼き鳥が運ばれてきた。 「おいしそう」 娘は思わず呟く 「冷めないうちに食べよう。日本酒2合 冷で あと刺し盛頂戴」 エンジンが掛かってきたのか、ピッチを上げ始めた 「拓真 大人しくしているかな」 思い出したかのように娘が喋りだす。 「ばぁばが見てるから大丈夫だろう」 「拓真はいま何歳になったんだっけか?」 知っているが、会話を繋げるため敢えて聞く父 「2歳 イヤイヤ期でもう大変 この間なんて・・・」 日頃の大変さを語る娘。うんうん頷きながら、 娘の1人の大人としての成長を嬉しく思いながらも寂しくもある父親がいる。 「まぁ 人一倍大変だけど 本当にかわいいわ」 娘が喋り終えた。最後の言葉は本題に入る入口を示してくれている。
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