15人が本棚に入れています
本棚に追加
知識は豊富
ヴァンサンカン、
ヴォーグ、
エル、
マーススチュアート、
ブライズビューティ、
日本の結婚式、
ウィディングナビ。
どれも私の愛読書。でも、やっぱり一番読んじゃうのがゼクシィ。毎月たったの500円で買えちゃうところがいい。付録も可愛いポーチやハンカチなんかがあって、 もうすでに一揃え済んでるかなってところ。
いまの私は、魅力度ナンバーワンのゼクシィがめちゃくちゃお気に入り。
遠くの友達はゼクシィが300円って言ってたけど、よく分からない。なんだって高い方がいいものなのにな。
さて、私の結婚準備は十分整っている。ママから教わった手料理だって、目分量でサササ♪
お掃除もタタタ♪ お洗濯だってルルル♪
お相手だっているわ。大学時代のサークル『援農の会』で知り合った木部久仁彦さん、二十六歳。私の二つ上の先輩。農業に興味があるみたい。私は無縁の世界を知ろうとしたの。そうしたら出会えた。
久仁彦さん、いまは配送業に就職していて、私達の将来設計のため、日々仕事に勤しんでくれている。
結婚したらパパがおうちを建ててくれるっていうけれど、久仁彦さんはきっと自分の稼いだお金で家を建てたいって、養いたいって言うに違いないわ。
そうね、8000万円も貯めれば、それなりのおうちを建てられると思うの。トイレだって三つまでにすれば、かなり浮かすことが出来るんじゃないかな。私は運転できないけれど、ガレージは車四台くらい置ければ十分だと思うし。
高望みさえしなければ、私達の将来設計は久仁彦さんの稼ぎだけで、不自由なく暮らせると思うの。久仁彦さんの収入や貯金額はわからないけれど、パパを見てきたから、私は分かるわ。
久仁彦さんは、きっと私を幸せにしてくれる。
私だって、久仁彦さんを幸せにしてあげられる。
毎日美味しい手料理を作ってあげて、お庭にはたくさんのお花を植えて、植木も充実させるの。さすがに植木は毎月職人さんにきてもらわないといけないかな。私には出来ないことだからね。そうだ、池の手入れもお願いしなくっちゃ。
私は毎日欠かさずに、大切な雑誌たちから漏らさず学んでる。だから、久仁彦さんに負担なんかかけないわ。安心していてほしい。
でも、私のこの想いを久仁彦さんに伝えるには時間が足りないの。今日はちゃんと話せるかなぁ。
最初のコメントを投稿しよう!