番外編8

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「それで、そんな俺に対して何か思うことがあるの?」 「休んで。真都は俺が見てるから。たまには一人の時間が必要だと思う。」 「要らない」 「……どうしてそんなに頑ななんだ」 「俺は真都のお母さんだもん。お母さんに休みはないんだよ。……俺ももっと頑張らないと。」 そう言うと彼の眉間にぐぐっと皺ができた。 少し怒った様子の彼が、深く息を吐く。 「真樹、申し訳ないけど、真樹がその考えでいるなら、俺と真都はしばらく親父の家に行こうかと思う。」 彼の顔があまりにも真剣で、冗談じゃないことが分かる。 それはつまり、出ていくということ……? 「な、んでそんなこと言うの……」 「自分自身を蔑ろにしないでくれ。いいお母さんになろうと頑張りすぎないで。……だからしばらく真樹には休んでほしいんだよ。」 「ぅ……あ、あの、行かないで……。」 寂しくて泣きたくなる。 凪さんに手を伸ばして、そっと服の袖を掴むと、彼の眉がハの字になった。 「頑張りすぎるの、やめれる?」 「……努力する」 小さな声でボソボソ伝えれば、彼は俺の手を取ってじっと目を見つめてくる。 「たまには何も考えずに、のんびり一人でいるのもいいかもしれないよ。さっきはしばらく帰るって言ったけど、今度、俺の両親に真都と会いに行ってきてもいい?」 「……ちゃんと、帰ってきてくれる?」 「うん。ごめんね。感情的になって傷つけるようなこと言った。」 「ううん。大丈夫」 肩の力を抜いて、凪さんにもたれ掛かり、ほっと息を吐いた。
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