番外編21

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「ご飯、いらないです。俺、もう寝ます。」 「お腹すいてない?お粥とかうどんとか、食べれそうなら今から作るよ。」 「いらない」 「……」 「おやすみなさい」 逃げるように寝室に行き、ベッドに寝転んだ。 俺が悪いのに、泣きそうになって枕に顔を埋める。 すぐ隣から香る凪さんの匂い。思わず枕から顔を上げて代わりに凪さんの枕を抱きしめた。 クンクン匂って、物足りなくなって、クローゼットから凪さんの服を沢山取りだした。ベッドに広げて匂いに包まれる。そうすればスーッと落ち着いて目を閉じることができた。 眠ってからどれくらい経ったのか、寝室のドアが開いた音がして意識が浮上する。 僅かに隣が沈んで、彼がそこにいるのがわかり、寝返りを打って凪さんに手を伸ばし、腰に腕を回した。 「あ、真樹、起きちゃった……?」 「ん……」 「巣作りしたの?上手だね」 「ん、ゃ、触らないで、やだぁ……」 「触っちゃダメなの?」 「ん」 撫でられるのが嫌で手を叩く。 凪さんは低い声でククッと笑った。 「俺も寝ようと思うんだけど、少しだけ服を退けていい?」 「……だめ」 「だめか。んー……じゃあリビングで寝ようかな。」 「いや!」 彼は笑ったままで何も言わない。 段々と目が覚めてきて、凪さんを見上げる。 穏やかな表情で俺を見下ろしていた。
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