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頭がクラクラして、彼の胸に額をつけ顔を隠した。
キスが気持ちよくて、でも恥ずかしい。
「耳まで真っ赤だ」
「〜〜っ!見ないで……」
耳を手で覆って隠す。
まだ凪さんが笑っているのが、振動で伝わってくる。
「凪さん、笑いすぎ。」
ボソッと文句を言えば、両手首を取られ耳から手を離された。
「可愛い真樹。もう一回キスしてもいいか?」
「あ……ぅ、わ、笑わない……?」
「うん」
顔を上げると、大きな両手が顔を包んだ。
色っぽい目と目が合って、何故かもう逸らせなくなる。
「ぅ、う……す、好き、です……」
「俺もだよ」
「あ、も、もう、やだ……待って、胸がもう、痛い……」
「胸?」
胸を抑える俺を不安げに見る彼の顔が良すぎて困る。余計に胸が痛い。
「大丈夫?横になる?ごめんね、体調悪かったんだね。」
「いや、そうじゃなくて……」
「病院に行く?もしかして抑制剤の副作用かな……」
「大丈夫です」
ちゃんと大丈夫だと伝えたのに、彼は聞いてくれずに俺をベッドに寝かせると、スマートフォンで抑制剤の副作用について調べ始めた。
「違うんですって!副作用じゃなくて……」
「理由がわかるの?」
「あ、お、俺が……」
「真樹が?」
「俺が……俺が、凪さんを好きすぎるんです!」
叫ぶように言うと、音が一切無くなった。
恥ずかしくて掛け布団の中に潜り込む。
「……はぁ」
溜息が聞こえてきて不安になる。
もしかして重たかった?
「──番になれないのがこんなに苦しいなんて」
その言葉で、俺の不安は膨らむ。
布団から顔を出すと凪さんは天井をぼんやり見上げていた。
凪さんのことは好きだ。
でも、俺はまだオメガを受け入れられていない。
発情期というものが起きている最中だけど、やっぱりそのせいで誰彼構わず誘惑してしまうことや、妊娠ができる体だって信じたくない。
「凪さん、ごめんなさい……」
「え?……あ、番になれなくて苦痛って意味じゃなくて……いやまあ、そうなんだけど……!」
「嫌になったら俺のことは追い出してもらって大丈夫なので。まだまだ、受け入れられるか分からないし……。」
「違うんだ!」
肩を掴まれて突然の痛みに目を見張る。
真剣で若干慌てているような表情をする彼は、何かを考えた後に口を開く。
「真樹と番になりたい。でも真樹が納得できるまでは待つ。その間……あまりにも真樹に可愛い事を言われると……その、俺も、やっぱり男だから……。」
「……っ!」
意味を理解して、体が沸騰したみたいに熱くなった。
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