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「蒼太と堂山の間に何があったかは知らない。だからそのことに関しては何も言えないけど、少なくとも今の堂山と蒼太の関係を知ってるよ。俺からは二人は仲のいい友達に見える。」
「……真樹が、許してくれたから……」
「うん。あとは蒼太が蒼太自身を許してあげようよ。」
涙が頬を零れて、ヒロ君の指先がそれを拭う。
彼の言葉に躊躇いながら頷いて、もう一度腕の中に帰った。
「急だったのに、来てくれてありがとう。」
「来るに決まってるだろ。それより、お腹空いてない?」
「ん……実はお腹空いてきたところ」
彼から離れて、持ってきてくれた料理の前に座る。
『いただきます』をする頃には、沈んでいた気分も段々元に戻ってきていて。
食べ終えると二人でお風呂に入って、少し狭かったけれど同じベッドで抱きしめられながら眠った。
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暑い。布団を蹴飛ばして大きく息を吐きながら目を開けた。
何度も味わったことのある感覚。発情期に入ったことはすぐに分かって、薬を飲もうと起き上がった。
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