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「真樹に痛い思いをさせたくない。だからそういうことはしない。お願いされてもしない。約束する」
「嬉しいけど……約束まですること?」
「うん。暴力が怖いから俺の意見に反対できないとか、そういうことがあると嫌だから。」
「ああ……そういうこと。」
暴力に支配されて続ける関係なんて楽しくない。幸せになれない。
凪さんはきっとそう言っている。
「……朝まで連絡しなくてごめんなさい。もう二度としない」
「うん。連絡さえしてくれたなら、好きなだけ楽しんできていいからね。」
「ありがとう。心配かけてごめんね。……夜は眠れた……?」
「正直眠れてない」
ぐぐっと体重を掛けてきた彼。
ゴロンとソファに一緒に寝転ぶ。
「今からちょっとだけ寝てもいいかな。お昼からは真樹の好きな事しよう」
「んー……凪さんが許してくれて、ゆっくり過ごせるならなんでもいいです」
「あ、俺『いいよ』って言ってなかった?ごめんね、もう怒ってないよ。安心して」
「安心した」
不安だった心が一気に晴れて、凪さんに抱きつきながら深呼吸する。
昨日は気を失うように眠ったけれど、彼とこうしていると眠たくなってきた。
「真樹、このまま寝るの狭い?ベッドがいい?」
「……凪さんは?」
「俺はこのままがいいな」
「じゃあこのままね」
怒られた後でも穏やかなのは初めてだ。
彼に甘えるように擦り寄って、お昼まで二人くっついて眠った。
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