番外編23

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「真樹に痛い思いをさせたくない。だからそういうことはしない。お願いされてもしない。約束する」 「嬉しいけど……約束まですること?」 「うん。暴力が怖いから俺の意見に反対できないとか、そういうことがあると嫌だから。」 「ああ……そういうこと。」 暴力に支配されて続ける関係なんて楽しくない。幸せになれない。 凪さんはきっとそう言っている。 「……朝まで連絡しなくてごめんなさい。もう二度としない」 「うん。連絡さえしてくれたなら、好きなだけ楽しんできていいからね。」 「ありがとう。心配かけてごめんね。……夜は眠れた……?」 「正直眠れてない」 ぐぐっと体重を掛けてきた彼。 ゴロンとソファに一緒に寝転ぶ。 「今からちょっとだけ寝てもいいかな。お昼からは真樹の好きな事しよう」 「んー……凪さんが許してくれて、ゆっくり過ごせるならなんでもいいです」 「あ、俺『いいよ』って言ってなかった?ごめんね、もう怒ってないよ。安心して」 「安心した」 不安だった心が一気に晴れて、凪さんに抱きつきながら深呼吸する。 昨日は気を失うように眠ったけれど、彼とこうしていると眠たくなってきた。 「真樹、このまま寝るの狭い?ベッドがいい?」 「……凪さんは?」 「俺はこのままがいいな」 「じゃあこのままね」 怒られた後でも穏やかなのは初めてだ。 彼に甘えるように擦り寄って、お昼まで二人くっついて眠った。
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