フィルムカメラの都市伝説

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友人から、趣味探しの一環としてフィルムカメラを購入したよ、と連絡がきました。 私も元々、詳しくはないものの写真を撮ること自体は好きで、古い機種の一眼カメラを大事に今でも使っています。 まだインスタントカメラがコンビニ等で売っていた時代には、友人同士でそれぞれカメラを買い、後日、現像したものを持ち寄って見せ合いっこを楽しんだりもしていました。 そういうわけで、久しぶりに友人と写真の話が出来ると舞い上がって、アレやコレやとメッセージのやり取りをしている中、 ふと、フィルムカメラにまつわる都市伝説のような話を思い出しました。 どこで聞いたのかは覚えていませんが、写真屋さんから聞いたテイで書いてみます。 *** フィルムカメラが主流だった時代、写真の現像を頼まれた中には、あきらかに『写ってはいけないもの』が写り込んでしまっている事があったそうです。 写真屋さんとしては、料金を頂戴している手前、現像した分は渡さねばならないと思うのですが、『あきらかに』おかしいものについては、お客様が不安になっても……と気を使い、お店の方で事前に弾いてしまうそうです。 お客様は当然、「写真の枚数が足りない」となりますが、その場合は「上手く撮れていなかったので、こちらでお預かりしております」などと、うまく躱すようにするとのことで。 それでも食い下がるお客様がいれば、ネガフィルムをお見せしたり、どうしてもご納得頂けない場合は、渋々『現像したけど弾いた写真』をお見せするそうです。 弾かれた写真をお見せすると、大体のお客様は何かを察し、写真は置いていくそうですが、中には満足気にお持ち帰りする方もいらっしゃるそうで。 そのお客様がその後どうしているか、という事は分かりませんが、 手元に残った『弾かれた写真』は、定期的にお焚き上げに出している、との事でした。 *** デジタル写真が主流となった今では、中々聞かなくなった話ではありますが、最近ではフィルムカメラの””エモさ””が再熱し、現像の依頼も増えたと聞くことがあります。 この都市伝説自体、どこかで見聞きしたオカルト話や噂なのか、 実際に写真屋さんから聞いた話なのか、創作なのか、 どうだったか全く覚えていませんが、 友人との話の中で、この噂を思い出した時は、 「こういう都市伝説まがいの話はやっぱり面白いなぁ」と思いました。 私と同じくオカルト好きな友人には、面白いものが撮れたら見せてね、とお願いしてあります。
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