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表に回れば人だかりが出来ていて騒ぎになっていて、どうやら店主が殺されている事が広がって皆それを見に来たのだろう。
部屋に服を置いてきてしまい、仕方なく俺はグランの服を羽織るだけで街中を歩く事になった。靴も無く裸足で歩いていて、本当に奴隷にされてしまったように思う。
男達の好奇の目と女性の嫌悪の目が俺に突き刺さり、グランの袖を恐る恐る掴む。するとグランはチラと俺を見て足を早めたので俺もついて行けばある店に入った。
どうやら服屋と下着屋のようで、グランは服を物色していて俺はそばで見ていた。店主は明らかに嫌そうに俺を見ていて俺はそちらを見ないように顔を逸らす。
「これをくれ」
「でもこれ結構いいもんですよ?奴隷にはもったいな」
「体と首が別れるのがいいか素直に売るのがいいか選ばせてやる」
グランは剣に手をかけ、店主は慌てて売ってくれた。今度は靴屋へ向かいまた同じような事をして買っていた。
路地裏で着替えさせられ、積まれた木箱に座らされグランは跪き持っていた水で足を洗われ靴を履かされた。まるで物語に出てくるお姫様にでもなったかのようだ…
グランはカッコイイし強いし、その気になればどこかの国の姫と結婚とかできそうだよなと思いながら見ていれば目が合い、眉間に皺を寄せられてしまった…
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