異世界転生ガチャでハズレを引いたかもしれない

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緑色の魔物はスンと匂いを嗅ぎこちらに向いたのでグランは俺を抱き上げ走り出す。後ろを見れば木をなぎ倒しながら緑色の魔物がこちらに向いて走ってきていて、グランは振り向かずに走り続けた。 だが魔物の足は早く追いつきそうになり、俺はぐるぐる色々考えてハッとした。モゾモゾと動き何とか下着を脱いで後ろを見ればもうあと少しでグランに手がかかりそうになっていて俺は下着を魔物へ投げつけた。 すると魔物はその下着を掴んで座り込んで匂いを嗅いでいて、俺達はなんとか魔物から逃げて森を出て次の町へたどり着いた。 その頃には夜が明けていて、グランは宿屋へついて俺をおろし部屋をとってさっさと部屋へ行きベッドに倒れ込んだ。 そして寝息を立て始めたので俺はそばによって頬を撫でた。俺を置いて逃げれば安全に逃げられたのに、グランは俺を置いて逃げなかった。 「あんた…俺をどうしたいんだよ…」 ぽつりと呟きながら髪を撫でる。黙っていればカッコイイし剣の腕も立つのに、本当になんで俺なんか連れ歩いてるんだよ… とりあえず店が開いた時間に下着を買いに向かった。ほぼ紐のような黒の下着を買おうと思ったが俺は金を持っていない事に気がついた。 グランにお金を貰おうと思い店から出ようとすれば年老いた男の店主が入口に背を向けてこちらを見ていた。また奴隷だからとかなんとか言われるんだろうな…
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