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牢の中のさんざめき
あなた様が、お運びになるなんて!
おおよその事情は、理解しました。でも……。私が侵した罪は、消えることはありません。
あの謝肉祭の日に私は、純潔を守れなかったのです。例え、それが、嵌められた、と言うことであっても……。
ああ、どうして?だからこそ、私と共に、牢にいるなんて!
妹を愛してしまった、罪。妹と、禁忌を侵してしまった罪。それを共に償う為に?
国はどうなさいます!せっかく、悪しき者を、粛清なさったのに!あなた様のお力を示す時であるのに!
お父様を?
玉座へお戻り頂くと言うことですか?
お父様に、危険が及ばない様、隣の牢に!そうだったのですね。
夫人を謀るために、あえて追放という形になさって──。
ならば、なおさら、父王様をお支えしなければ。
どうか!お止めになって。
その様な、熱い眼差しを、私に向けないで!
どうして、わかってくださらないの?私は、罪の重さに毎晩、泣きくれているのに。
だからこそ、私と、共に、罪を背負う?
ああ!ドゥワポルト!あなたという人は。
──禁忌を侵した事は消えない。しかし、沸き起こる愛を断つことはできない……。共に地獄へ堕ちたい。
ドゥワポルト!
私の愛しい人。あなたとなら、地獄へ堕ちても構わない。
どうか、お願い。地獄へ落ちる前に、
この憐れな夜啼き鳥へ、あなたの熱い口づけを──、毎夜与えて頂けないでしょか?
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