夜啼き鳥の嘆き

世話係のさんざめき

サンジェルマン伯爵夫人の化けの皮が、ついに、剥がれましたわ！

離宮に火が放たれ、夫人は、拘束されたそうです。その時、大火傷をおったそうで。

かろうじて、命は取り留めたものの、その顔は見られたものじゃないとか。

まさか、それが、ドゥワポルト様の命だなんて誰が思いますでしょう。

仲違い？

いいえ、これは、粛清。

初めから、ドゥワポルト様は、そのつもりだったのです。

夫人の傀儡となり、私利私欲を貪っているのは、誰、か、を、見極めていたのです。

サンジェルマン伯爵夫人と関わっていた輩達は、反体制派と呼ばれ、投獄されているそうですわ。

そして、今年の謝肉祭(カーニバル)では、夫人が、傾国の悪女として、その首を差し出すそうですよ。

ああ、なんて、すっきりする話でしょう。

さっそく、謝肉祭(カーニバル)用の仮面を新調しなくては。

また、遠慮なさる！誰もが、振り向く仮面を作りましょう！
あなた様を落とし入れたサンジェルマン伯爵夫人の最後を見届けるに、相応しいものを！

もう、あなた様は、罪人では無いのですよ？悪女に落とし入れられた、悲劇の姫君なのです。

ここから解放される日も、近いでしょう。

……あら？

どなたか、いらっしゃる。

足音が、聞こえますわ……。