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「ルールは?」
「12球勝負」
「あっそう。分かった」
これは、さっさとやって、昼休みの残りを回収した方がいい。
「先攻、後攻?」
「どっちでもいいよ」
じゃんけんするかと思ったら、ポケットから百円を出して、指先で投げて手のひらに隠すように置いた。
な、なにそれ。
かなり気障・・・。
それって、外国のコインがあってこそのhead or tailじゃないの?
日本の硬貨に人の顔ないよ。
つっこむのもめんどくさくて、「数字の方」と言うと、当たったらしく百円を見て「選んで」と言われた。
「じゃあ、後攻で」
「あっそう」
ボールを軽く手になじませるようにポンポンと軽く投げながら、加賀宮が指定の位置に立つ。
5番のパネルが光る。
すっと肩を下して、一瞬、フォームを整えて、思いっきり投げた。
4のパネルが当たる。
あー、まぁ、上手いじゃん。
結構な速度で、私、投げれるのかなと不安になった。
さすがに届かないとか、それはないと思うけど、久しぶりすぎて、あるかも。
負けるだろうけど、パネル、少しは当てたい。
スーツのわりにけっこう良いフォームで投げる。
5球投げて、3パネル当てた。
また5番のパネルが光って、パチンっと当てた。
こっちを振り返ると「びびったか?」と言った。
はぁ?
びびったか?
ば、馬鹿だ、この人。
私が「ぷっ」っと、思わず吹き出すと、むっとして投球に戻った。
結局、12球で、7パネル当てた。
まずまずなのか、機嫌よく振り返って「お前の番」と言う。
「あー、はいはい」
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