プロポーズの行方

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 「一旦、繭子の彼呼ぼ!私からもそれとなく聞いてあげるから」  「え〜、それも何だかなぁ」  「プロポーズも何も覚えないまま、結婚の準備してるあんたが何だかなぁよ」    学生時代からの友人、芽依は綺麗な顔を派手に歪めて呆れ顔をくれた。同じ中高、大学の学部を経て今は違う科のドクター。私は大学病院の循環器内科で、彼女は手広く色々している大きめのレディースクリニックに勤めている。  二人の予定が合いやすい日曜日ののどかな昼下がり、何処で探してくるのか情報通なこの友人は、程よく空いてて良い雰囲気の美味しいお店に連れていってくれる。そして、おしゃれで華やかな彼女と対で座る私はすっぴんカモフラージュの眼鏡にラフな格好。来月の癌センターへの異動もあり念願とはいえバタバタしていて正直ぐったりだ。    なのにこの前、彼とのデートでいきなり結婚の話が出てきて心底驚いた。いつの間にか私はプロポーズを受け了承していたそうだ。記憶に無いので聞き返そうにも、話が先々進み結婚式プランに盛り上がっている彼に到底聞ける雰囲気では無かった。  
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