プロポーズの行方

3/4
26人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
《side彼》  この仕事が落ち着いてから。  この論文終えてから。  異動が済んでから。  彼女の優先順位で俺は下の方のようだ。  そろそろだろうと親や周りから急かされ結婚を言い出そうにも、彼女とのデートでそんな雰囲気に全くならない。  しれっとほろ酔いの日にプロポーズして承諾もらったていで話してみた。意外といけたので、そのまま嘘を押し通す。  やっと結婚出来る。  彼女と俺の二人の収入を合わせれば、子供ができても金銭的にまあまあいい生活が出来るだろう。  「貴史ごめん!急に呼びつけて」  「いいよいいよ、色々相談しないとだし」  仕事終わりに家に寄って欲しいとSNSメッセージがあった。当日のお誘いはとても珍しい。ありがとう、と言いながらほっとした様子で笑う繭子。釣られて俺も笑っていたけれど、彼女の話を聞いて凍りついた。  「聞いて!すごいの!アメリカの大学に枠空いたみたいで、二年いけることになったの!研究になるから、収入厳しくなるんだけど、結婚するなら私大丈夫だよね。貴史こないだ結構稼いでるとか言ってたし、よろしく!」
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!