四月二日 四つ葉のクローバー(白詰草)

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四月二日 四つ葉のクローバー(白詰草)

拝啓 お誕生日おめでとう 喜びに包まれて生まれた君に 積もる想いを抱いたのはいつのことだろう。 バリエーション豊かな愛情表現をする君。かと思えば のほほんとのんびり太陽の光を浴びて、冬の残りの クルミで遊んでみたり・・・。夜は 蝋燭の炎に照らされる君の横顔が ーそう、少女から女性の顔になっていることに 漠然としたそれでいて仄かな ー淡い恋心を伝えていいのか分からなくなるのだ。                              敬具 四月二日、 僕はその手紙に封をして机の中へとしまった。 それも慌てて。 だって、彼女が突然ドアを開けて入ってきたから。 昨日、食べきれなかった魚の形をしたパイである ポワソンダブリルを食べようとのお誘いだ。 もちろん僕はOKした。 だけど、僕の気持ちは嘘ではない。 君の愛四つ葉のクローバー嬉し 了
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