9人が本棚に入れています
本棚に追加
四月七日 クロッカス(花サフラン)
拝啓
お誕生日おめでとう
草木が命を目覚めさせて春の訪れの
朗報を待ち望むように緑豊かな世界がハ
ッとするほど芽吹いていることに驚きを
隠せない。それと同様に僕は
素敵な君へ何を贈ればいいのだろう。
敬具
四月七日、
僕はその手紙に封をして机の中へとしまった。
彼女を迎えに行くからだ。
ちょっと自転車で遠出をして湖へ行く。
そこは人がほとんど来なくて
色とりどりのクロッカスが咲いている。
風を切って自転車を走らせた後
彼女は何を僕に期待するだろう。
彼女の希望に添えればいいのだが。
そう想いながら僕はバスケットに小さな小箱を入れた。
クロッカスの咲き終わりは青春の日々の喜び今の僕らさ
了
最初のコメントを投稿しよう!