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四月一日 さくら(桜)
拝啓
お誕生日おめでとう
様々なピンクの色で日本中を覆う桜。
繰り返し毎年その美しさを見せてくれる桜はまるで君の様だ。
爛漫の花の中で僕を見つめる君に僕は改めて恋焦がれるのだ。
敬具
四月一日、
僕はその手紙に封をして机の中へとしまった。
窓に目をやれば、桜色の着物を着て髪を結った君が
僕が出てくるのを待っている。
庭の桜の花をじっと見ている君に
どんな賛辞を贈ればいいだろうか。
僕はそんなことを考えながら
彼女の元へと行く為部屋を出た。
満開の桜に染まる君と僕花の深海泳ぐが如く
了
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