鬼子は『忌み子』

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鬼子は『忌み子』

「バラバラにされた鬼を鎮めるため、立岩の隣には鬼神塚(おにかみづか)が作られた。 だが鬼は執念深く恨みも深い。 若い娘がこの塚に近づくと、鬼の邪気に当てられ鬼の子を孕まされる」 産婆の婆様(ばさま)多々羅(たたら)は問う。 「婆様(ばさま)は鬼の子を取り上げたこともあるのか?」 「おうよ。取り上げた。鬼の子は人の命を喰ろうて産まれてくる。 父無し子(ててなしご)の鬼の子は産まれ落ちるその時に、必ず母をも亡くす」 「孤児(みなしご)か。ワシと同じ……」 多々羅(たたら)の言葉を婆様(ばさま)は否定した。 「同じなものか! 鬼の子は忌み子じゃ。どうあっても村に(わざわい)をもたらす」
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