わたしは砂織そして……

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「……確かに僕はサーリーさんの気持ちを考えていなかったかもしれないけれど、サーリーさんもちゃんと意思表示をされなかったですよね」 ルーベスタさんはそう言って寂しそうな表情を見せた。 「……それはそうかもしれないですね」 確かにルーベスタさんの言うようにちゃんと話をしていなかった。わたしは突然サーリーになってしまって逃げることしか考えていなかった。 ルーベスタさんにとってはそんなことは関係ないことだよね。そうかもしれないけれどわたしは……。 「サーリーさん僕はあなたと結婚したいです」 ルーベスタさんはわたしの顔を真っ直ぐ見て言った。 「……ルーベスタさん、ごめんなさい。わたし、結婚できません」 わたしは、ルーベスタさんの顔を見てそれから頭を深く下げた。 「どうしてですか? お金なら沢山ありますよ」 「幸せはお金だけじゃないです」 「もちろん分かっていますよ」 「本当に分かっているんですか?」 「はい、僕はサーリーさんのその美しさにも惹かれました」 ルーベスタさんは胸を張って言った。 わたしは、やっぱりこの人は分かっていないなと思った。 「ルーベスタさんは何も分かっていませんね」 「サーリーさんどうしてそんなことを言うんですか?」 ルーベスタさんは不思議そうに首を傾げた。 「では聞きますけど、わたしがブロンドヘアの美人ではなくて黒髪の日本人女性だったらどうしますか?」 わたしは、ルーベスタさんの顔を真っ直ぐ見て聞いた。
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