気がつくとサーリーになっていました

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食堂に行くとテーブルクロスのかかったテーブルにパンや肉料理が並べられていた。焼きたてパンの香ばしい香りがふわふわと漂っている。 「サーリーおはよう」 青色のドレスに身を包んだ四十代半ばくらいの女性がわたしに微笑みかけた。 「……お、おはようございます」 わたしはぎこちない笑みを浮かべ席に着いた。 「サーリーおはよう」 スーツの首もとにひらひらしたレースの胸飾りジャボがつけられている男性がにっこりと笑った。四十代後半くらいの男性なのになんて派手なんだろうと思わずじっと見てしまった。 「お、おはようございます」 二人とも白人の外国人なんだけれど父と母の設定なのだろうか。 「さあ、食事にしましょう」 「こうしてサーリーと朝食を食べられるのも最後かな? そう思うと父は寂しいぞ」 そう言いながら男性は肉にフォークを刺し口に運んだ。 父だと言うことはやっぱりわたしのお父さんの設定なんだねと思ったのだけど……。 「今、朝食を食べられるのも最後かなと言いましたよね? それはどういうことですか?」 「可愛い大切な娘サーリー。だって、お前は今日結婚してしまうではないか。父は寂しくなるな」 ハンカチーフを目元に当てて涙を拭っている。 お父さん泣いているんですか? ってじゃない!! 「い、今、結婚と言いましたか!!」
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