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「そうだ、ユーアーナ、紹介するよ。こちらは砂織、今日から僕のカフェを手伝ってもらうことになったんだ」
「砂織です。どうぞよろしくお願いします」
わたしは、マルコーリさんをちらりと見てからユーアーナに視線を移し挨拶をした。
「サオリ? 変わった名前なんですね。改めましてこんばんは、わたしはユーアーナです。マルコーリさんの幼なじみです」
ユーアーナは可愛らしい笑顔を浮かべた。
「マルコーリさんとユーアーナちゃんは仲良しだにゃん。あ、マルコーリさん、クッキーのおかわりはありますかにゃん?」
口の周りにクッキーの食べかすをいっぱいくっつけているシロリンちゃんが言った。
「シロリン、口の周りがばっちいですよ」
マルコーリさんが口元に手を当ててクスクスと笑った。
「えっ!? 口の周りがばっちいにゃんて……」
シロリンちゃんは慌てて紙ナプキンで口の周りを拭いた。
「クッキーのおかわりを持ってきますよ」
マルコーリさんはククッと笑いながらキッチンに行った。
「ふふっ、シロリンちゃんは可愛らしいね」
「ありがとう」
わたしは、シロリンちゃんのちょっと照れた顔とユーアーナの可愛らしい笑顔をぼんやりと眺めた。
すると。
「マルコーリさんの作るお菓子も料理もわたし大好きなんですよ」
ユーアーナがわたしの顔を真っ直ぐ見て言った。なんだかそのぱっちりとした大きな目がちょっと怖く感じてしまった。
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