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「あ、クッキー食べるの忘れてたじゃない」
ユーアーナがクッキーに手を伸ばし口に運んだ。そして、「うん、やっぱりマルコーリさんのクッキーは美味しいよ。このしょっぱさが最高なんだよね」と言ってニコニコと笑った。
「ユーアーナありがとう。自分で言うのもあれだけどこのクッキーは美味しいなと思うんだよね」
マルコーリさんもクッキーに手を伸ばし食べた。
「うん、やっぱり我ながら美味しいクッキーだ」と満足げに食べている
「わたしもマルコーリさんのクッキー好きだよ」
シロリンちゃんもクッキーをモグモグ美味しそうに食べている。
確かにこの塩味の効いたしょっぱいクッキーも美味しいとは思うのだけどわたしはバターたっぷりの甘いクッキーの方が美味しいと感じるのだった。
みんなの美味しそうな笑顔を見ているとなんだか、わたしだけが好みが違うなと感じ疎外感を抱く。
やっぱりわたしはこの世界の人間ではない。元の世界に帰りたい。わたし、春川砂織が住んでいる日本に帰りたいよ。
大切な君が住んでいるあの場所に帰りたい。
「砂織、どうしたんですか? 泣いているんですか?」
「えっ?」
マルコーリさんに言われて自分の頬に涙が伝っていることに気がついた。
わたし、寂しくて悲しかったんだ……。
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