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わたしは、ユーアーナに図星を突かれ悔しくてクッキーをぱくぱく頬張った。
「サオリさん、どうしてそんなに無理をするんですか? マルコーリさんが作ったクッキーだからですか」
「……む、無理なんてしてないですもん」
「ふーん、そうですか? わたしには無理をしているように見えるんですけどね」
ユーアーナはわたしの顔をちらっと見て言った。
「ユーアーナ、砂織も色々あって疲れているんだよ。そっとしてあげてくれないかな」
それまで黙っていたマルコーリさんが助け舟を出してくれた。
「あ、そっか、それもそうだよね。マルコーリさんがそう言うなら仕方ないね」
そう言ったユーアーナはわたしの顔をチラッと見てそれからクッキーを食べた。
「砂織、気にしないでくださいね。ユーアーナも悪気はないはずですから……」
マルコーリさんは優しい眼差しを向けてくれた。
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