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玲と初めて会ったのは半年前の初夏。
壱也が趣味でやっているサッカークラブの試合の応援に行ったときに紹介された。
「玲さん。こいつは同じ大学の片瀬明日香」
「初めまして。片瀬です」
「霧島です」
それだけ言って、ふたりで固まった。
玲の第一印象はあまりいいものではなかった。口数が少なくて冷たそう。そんなイメージ。もともと人見知りであるわたしの性格のせいもあったけれど、打ち解けられる気がしなかった。
「玲さん、すみません。こいつ、あまり愛想がよくなくて」
壱也がからかうように言う。
なんなの? それってわたしだけじゃないでしょう。向こうだって、同じくらい愛想ないんですけど。
すると、ふてくされているわたしに気を使ってくれたのか、玲が話題を変えた。
「壱也が女の子を連れてくるなんて初めてだな」
「そうでしたっけ?」
「そうだよ」
玲と壱也が所属しているクラブの大半は社会人。プロを目指しているわけではなくて、あくまでも趣味の域。その活動が週に一度行われているそうだ。
といっても仕事帰りの夜に学校の校庭やスポーツ広場に集まって軽くサッカーをする程度のもの。だけど、こういったクラブはこの地域にけっこうあって、年に一度ちゃんとしたリーグ戦も行われていると前に壱也から聞いていた。
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