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「トウゴ。良くやってくれた。国王陛下からお褒めの言葉をいただいた」
「私は何もしていませんが」
ムドゥさまの声が弾んでいる。
きっと上機嫌なのだろう。
「ムドゥさま、良くして下さった恩は忘れませんが、あんなことがあったら心臓がいくつあっても足りません。どうかもう貸し出しは勘弁して下さい」
「トウゴ。次はフォゴーレの街へ向かってくれぬか。新しい事業の打ち合わせがある」
「ムドゥさま、聞いてませんね」
ムドゥさまの頭がゆらゆらと左右に楽しそうに揺れた。
どうやら私はこの世界を思う存分堪能することになりそうだ。
【完】
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