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俺は調理場を出る。廊下で土方さんとすれ違った。 「どこか行くのか」 「はい、少し出かけてきます」 「そうか、じゃあこれ。どうせ総司に何か作れとでも言われたんだろう?」 正解だ。流石。そして金を渡された。 「…ありがとうございます」 「まぁ……み…しな…」 「え?」 「まぁ、俺も食べてみたいしな、てめぇの作った飯」 ちょっと待って。何で土方さん恥ずかしがってんの。普通に言ってくれよ。こっちも照れるだろ。 でも正直嬉しい。誰かに俺の作った料理を食べたいと言われたことが初めてだから。 「…ありがとうございますっ!!」 そう言って俺は屯所を出た。
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