33人が本棚に入れています
本棚に追加
私はしびれを切らして通話ボタンを押した。
十秒……二十秒……三十秒待っても、悠真は通話に出ない。
一度切ってから、もう一度押す。繋がらない。
どうして? そこにいるんでしょう? 悠真だって、私と話したいでしょう?
それとも颯が学校に戻ったの? 颯が戻ってきたから対応できずにいるの?
ああ、どうすればいいんだろう。
ベッドに横向きに転がったまま画面を見つめていたら、突如新しいメッセージが追加された。
返事が来た……! と喜びかけたのはわずか一瞬にも満たない時間。
“は? 意味わからん”
非情な悠真の言葉が、私に冷水を浴びせた。
すぐにでも悠真と話がしたいという希望に満ちた熱意は吹き飛び、一転して体がすくむ。
ただ意地を張ってるだけかもしれない。
ここでもっと押せば、悠真の態度も軟化するかもしれない。
悠真を好きだと、また彼女にしてほしいと、素直に伝えたら、きっと悠真だって気持ちを抑えられなくなるはずだ。
最初のコメントを投稿しよう!