十三 壊れる均衡

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 悠真と連絡を取りたい。  その一心で、私は颯にLINEを返した。 “一人?”  すぐに既読がついて、返事が来る。 “一人だよ。先に出てきた。家にいる?”  それを見て、思わず口元が緩む。颯が一人だということは、悠真も一人だということだ。 “ごめん、今は一人になりたい。大丈夫だから、心配しないで”  そう返事して、私は悠真とのLINEを開いた。  颯からの“わかった。また後で連絡するけど”というプッシュ通知を横目に、悠真への言葉を打つ。 “悠真、話がしたいの。今から二人で会えない?” “まだ学校にいるのなら、待っててくれたらこれから行くし、悠真がウチに来てくれてもいいよ” “颯のいないところで二人で話そう” “返事待ってるから”  しばらくしたら、既読がついた。  悠真に私の言葉が届いたことに、胸が高鳴る。  そのままはやる気持ちを抑えながら返事を待ったけど、一向に来る気配がない。  
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