一 終わりは始まり

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「あれ? (はる)じゃん」 「ほんとだ。何してんの?」  思考の暗闇から私を引き戻したのは、二人組の制服姿の男子だった。  一人は同い年の悠真(ゆうま)。もう一人は一つ下の(そう)。私が通う通信制高校の、とりわけ仲の良い友達だ。 「なんかあった? 暗い顔してるけど」  悠真がのぞき込んできたので、私はとっさに顔を背けた。  けど心のどこかで、気のおけない二人に見つけてもらえたことに安心してもいた。 「……あのね」  口を開くと、涙がこぼれそうになって、ぐっと唇を結んでからまた言い直す。 「……あのね、私、(たける)に振られちゃった」 「えっ」  少しの間、沈黙が続いた。  気まずそうに顔を見合わせる二人に、いたたまれなくなって、私は場を繕おうと笑顔を作った。 「あはは、やんなるよねぇ、ほんと。こんな場所で置いてかれたほうの身にもなってほしいよ!」 「晴……」 「はは……。さて、帰んなきゃ」  私は重い腰を持ち上げて、スカートの裾を軽く払った。 「おい悠真、送ってってやれよ」  颯が悠真の肩をポンと叩く。 「俺も一緒に行ってやりたいけど、今日は早く帰れって親に言われちゃってんだよね」 「颯……」 「いいよ、私は一人で大丈夫!」  空元気を出して両手を左右に振ると、 「いや、送ってく」  悠真はそう言って、私の鞄を手に取った。 「悠真……」 「ほら、行くぞ。じゃ颯、また明日な」 「おー。バイバイ、晴」 「うん……」  私は颯に見送られながら、先に歩き出した悠真の後を、救われたような気持ちで追いかけた。  

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