【3】Killer Fairy

4/7
前へ
/26ページ
次へ
〜2日前〜 アメリカからTERRAに戻ったラブは、刑事課の異常な状況と、凛がイースター島から持ち帰った情報を考えていた。 「ラブ、今回は明らかに警察を狙って、あの蝶を試しているとしか思えないわ」 「私も凛の読みに賛成。更に、隣の刑事課がターゲット。バラバラにして楽しんでるみたい」 「刑事課に恨みがある人物はたくさんいるが、あの蝶に関わってるのは、日本では葛城博士だけだ」 T2も的が絞りきれず、イラついている。 「葛城博士夫妻が犯行を犯すとは思えないから…やはりあの知り合いが気になるわね」 「生物学者の佐橋友之ね、霞ぃ…じゃなくって💦美月、彼の研究所と自宅を探ってみて。あの後ラボでは、ものすごい数の蝶が発生してたけど、いつの間にか居なくなってる。やはり彼が持ち帰り、売り捌いてる可能性が高いわ」 「了解。名前戻したのはラブだからね、間違えないでよ💧。あとごめん、部屋は貰ったけど、何か着るものある?」 「着るもの!あるよあるある♬掃いて捨てるくらい💦66階の倉庫にあるから、受付の下村さんに案内して貰って。靴もアクセサリーも下着も何でもあるから」 「そ…そうなの。掃いて捨てる程はいらないけど、助かるわ」 「凛はちょっと手伝ってくれる?」 「ん?いいよ」 地下基地から出て行くラブ達。 T2とアイは、フェアリーバタフライの犠牲者と思われる事例を集め、一貫性を見出そうとしていた。 ラブが凛を連れて行ったのは、開発部門の上にある一画。 「ここは確か…」 「TERRA(うち)のミニスカハイヒールが使っていた部屋よ。今でも咲さんを見ると思い出すわ」 凛が加わるまで、ラブのマネージャー兼、技術部門長であったヴェロニカである。 「まだ片付けてないんだぁ…まさか戻って来るとでも思ってんの?」 期待は極めて薄い。 しかし、共に戦って来た仲間である。 「地球が滅ぶかもって時に、突然消えたのよ?戻るわけないわ」 「そうよね…分かってる。それより考古学者の彼女は、確かモアイの謎を調べていたことがあったから、もしかしたら何か手掛かりがないかと思って。探すの得意でしょ凛?」 「あの壁の模様の解読ね。しっかし…書類だらけのこの部屋から探すのは、至難の業よ。たまたま、このデスクに置いてあったりしない限りね」 椅子に腰掛け、ポツンと置いてあったファイルを取り、脚をデスクに乗せる凛。 (…まさか) あの几帳面なヴェロニカが、ファイルを出したままにするとは思えない。 ラブが見つめる中、凛の目が、ファイルの中身に集中し始めていた。 「ラブ…これって…マジみたい💦」 ラブも慌てて覗き込む。 「あの壁の写真❗️」 そこには、彼女が調べてまとめた、ラパ・ヌイ(イースター島)の歴史が記されていた。 このファイルの存在が、大きな2つの真実へ導いたのである。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

92人が本棚に入れています
本棚に追加