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〜2日前〜
アメリカからTERRAに戻ったラブは、刑事課の異常な状況と、凛がイースター島から持ち帰った情報を考えていた。
「ラブ、今回は明らかに警察を狙って、あの蝶を試しているとしか思えないわ」
「私も凛の読みに賛成。更に、隣の刑事課がターゲット。バラバラにして楽しんでるみたい」
「刑事課に恨みがある人物はたくさんいるが、あの蝶に関わってるのは、日本では葛城博士だけだ」
T2も的が絞りきれず、イラついている。
「葛城博士夫妻が犯行を犯すとは思えないから…やはりあの知り合いが気になるわね」
「生物学者の佐橋友之ね、霞ぃ…じゃなくって💦美月、彼の研究所と自宅を探ってみて。あの後ラボでは、ものすごい数の蝶が発生してたけど、いつの間にか居なくなってる。やはり彼が持ち帰り、売り捌いてる可能性が高いわ」
「了解。名前戻したのはラブだからね、間違えないでよ💧。あとごめん、部屋は貰ったけど、何か着るものある?」
「着るもの!あるよあるある♬掃いて捨てるくらい💦66階の倉庫にあるから、受付の下村さんに案内して貰って。靴もアクセサリーも下着も何でもあるから」
「そ…そうなの。掃いて捨てる程はいらないけど、助かるわ」
「凛はちょっと手伝ってくれる?」
「ん?いいよ」
地下基地から出て行くラブ達。
T2とアイは、フェアリーバタフライの犠牲者と思われる事例を集め、一貫性を見出そうとしていた。
ラブが凛を連れて行ったのは、開発部門の上にある一画。
「ここは確か…」
「TERRAのミニスカハイヒールが使っていた部屋よ。今でも咲さんを見ると思い出すわ」
凛が加わるまで、ラブのマネージャー兼、技術部門長であったヴェロニカである。
「まだ片付けてないんだぁ…まさか戻って来るとでも思ってんの?」
期待は極めて薄い。
しかし、共に戦って来た仲間である。
「地球が滅ぶかもって時に、突然消えたのよ?戻るわけないわ」
「そうよね…分かってる。それより考古学者の彼女は、確かモアイの謎を調べていたことがあったから、もしかしたら何か手掛かりがないかと思って。探すの得意でしょ凛?」
「あの壁の模様の解読ね。しっかし…書類だらけのこの部屋から探すのは、至難の業よ。たまたま、このデスクに置いてあったりしない限りね」
椅子に腰掛け、ポツンと置いてあったファイルを取り、脚をデスクに乗せる凛。
(…まさか)
あの几帳面なヴェロニカが、ファイルを出したままにするとは思えない。
ラブが見つめる中、凛の目が、ファイルの中身に集中し始めていた。
「ラブ…これって…マジみたい💦」
ラブも慌てて覗き込む。
「あの壁の写真❗️」
そこには、彼女が調べてまとめた、ラパ・ヌイ(イースター島)の歴史が記されていた。
このファイルの存在が、大きな2つの真実へ導いたのである。
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