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〜警視庁捜査本部刑事課〜
紗夜からの連絡を受けた富士本。
困り切った顔に、土屋が問いかける。
「紗夜さん達に何か?」
「淳が事件に巻き込まれ…練馬署に拘束されてしまった様だ。全くどうなってるんだか…」
しかし、事態はそれでは収まらなかった。
その直後、刑事課の電話が鳴った。
他にはおらず、土屋が出る。
「はい、警視庁刑事課です。事件ですか?」
少し話を聞いていた土屋。
「そんな⁉️なんということ❗️」
冷静な彼女の大声に、駆け寄って受話器を奪う富士本。
「部長の富士本だが、何があった?」
上の階に通じる奥の階段へと、慌てて駆けて行く土屋。
力なく受話器を置いた富士本が、呆然とその姿を見送る。
〜4階 鑑識部〜
ヒールを脱がしながら、転がる様に上がって来た土屋。
「と…豊川さん!大変なことが❗️」
「何なんだ、あんたがそんなに慌てて。どうした?」
「今、目黒署から通り魔の通報があって…」
「通り魔?そりゃアンタらの仕事だろうが?」
「違うんです!雅恵さんが❗️」
「なに?うちの雅恵がどうした⁉️」
尋常じゃない様子に、刑事の勘が働く。
「子供を庇って刺され、今病院へ❗️」
「何だと⁉️どこだ?どこの病院だ⁉️」
「目黒の北川総合病院です!」
聞き終わるより早く、走って出て行く豊川。
話が聞こえた部下達が、オロオロと戸惑う。
その場に座り込んだ土屋。
電話では、心肺停止状態で搬送と聞いていた。
「いったい何が起きてるの…」
ふと、入院している夫の戸澤が心配になった。
慌てて刑事課に降りて行き、富士本に言う間も惜しんで出て行った。
すれ違いで、TERRAの桐谷美月が入って来た。
「淳一さんの事を聞きました。ラブが手伝う様にと。土屋さん、あんなに慌てて何処へ?」
「恐らく、戸澤のところだ。飛鳥神の次は淳一、それから今度は豊川さんの奥さんまで…夫のことが心配になったのだろう」
「実は、似た様な事件が、世界中で起きているんです。突然狂って人を襲ったり、自殺したりと…今情報を集めていますが、いずれも今のところ原因は不明です」
「そうなのか?それにしても、ここは狙われているとしか思えん。桐谷さん、あなたも気をつける様に」
「私の心配より、富士本さんは自分とご家族の安全を考えて下さい。みんなの穴埋めは、私と凛が手伝いますので」
「ありがたい。警察でもないあなた方にすまないが、正直なところ助かるよ」
「ある意味私と凛は、警察以上ですのでお任せ下さい」
元凄腕のCIAエージェントと、伝説の暗殺者。
最強のタッグである。
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