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技術者の国へようこそ
僅か100メートル、されど人間にとっては命がけの高さ。
平和な地を望み、おのが手足で縄梯子を登れば、楽園へと辿り着く。その国は、この時代の人々にとっては確かに憧憬の的であった。故に落ちれば死は免れないものの、挑戦者は後を絶たない。
そこは、かつて技術者の聖地と謳われた場所。人々が平和を望み、政治行為をプログラムされたAIとその補佐の人間、そして技術者に託した街。
平和を脅かす存在には武力を持って迎え撃ち、平和を共に探る存在には技術の恩恵を与えよう。
それこそが独立宣言の日、街のトップに君臨するAIの言葉であった。
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