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女は、ベッドから降りて立ち上がる。
躰には、何も身につけてない。
冷蔵庫からミネラルウォーターを出して、一口飲んだ。
昨日は、茉白先輩の芝居を観に行った。
千穐楽の打ち上げに誘われて、スペインバルに行ったっけ。
スパークリングワインで乾杯した事までは、覚えている。
が、どうやって帰って来たのか。
何故、何も着ていない?
床に、昨日着ていた服が脱ぎ散らかしてある。
自分で脱いだ? 脱がされた?
スマホに先輩のメッセージがあった。
「ピンクヘアのダンサーと帰ったけど、大丈夫だった?」
ゆっくりと記憶を辿っていく、不意にシトラスとムスクの混じった香りが甦る。
それ以上の記憶は無かった。
下半身に違和感は感じない、これを無事だと言うのか。
「大丈夫みたいです」
意味不明の返事を送った。
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