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「詩君って、人を愛したこと無いんだ」 「何で?何故そう思うんですか?」 「SEXしたから、判ることもあるの」 さっきまで、俺が抱きしめていたのは由布先輩だった。 俺の下で声をあげていたのは、間違いなく先輩なのに。 「君が今まで付き合った子たちは、君を愛してたわけじゃない。 可愛い君が好きなだけ」 「君は可愛いペットと同じ。 彼女たちは、君と付き合ってる自分が好きだったの」 「今日でも私の気持ちなんて、欠片も考えてなかったでしょう。 体はちょっと気持ちよかったけど、心は満たされなかった」 畳みかけるように投げつけられた言葉に、返事も出来ない。 だが思い当たる節はあった。 今まで一度も、自分から告白したことが無かった。 今日だって、先輩から誘惑された。 「俺、どうすればいいんでしょう?」 「あなたの人生でしょ、私が決めることじゃない」
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