第二章 初対面

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間もなくして志音が 青い花柄のポットと 揃いのティーカップを運んできた。 「まずは温まりましょう。あ、そうだ。一応、確認しておかないとね。優莉さん、お薬って何か飲んでる?」 小首をかしげて 目の前に立つ美女に 圧倒されながら 優莉は「いえ」と 首を横に振った。 「そう、なら大丈夫ね。ハーブティーはね。お薬の効果を妨げてしまうものもあって、飲み合わせには、注意が必要なの」 志音は、にこやかに微笑むと お茶をカップに注いだ。 コポコポと注がれるお茶から 湯気が、ゆらゆらと上がる。 「これはセントジョーンズワートっていうお茶なの。どうぞ」 そう言われて 差し出されたお茶は 薄い緑色をしている。 「少し、気分が落ちている感じがしたの。このお茶は、古くから『心の疲れ』に効くって言われてるのよ」 話ながら、志音は ゆっくりと椅子に腰かけた。 「召し上がってみて。淹れたばかりだから、あまり癖を感じないと思うんだけど、ダメだったら教えてね」 「あ、はい。わかりました。いただきます」 優莉は、青い小花が舞う カップを両手で持ち上げると 静かに啜った。 最初は少し、薬草のような 青臭さを感じたが、後から抜けていく 菊のような香りが爽やかだ。 「あ、美味しいです」 志音は、微笑みながら頷いて テーブルの角に置いてあった クリアファイルを引き寄せる。 耳にぶら下がっている 雫型のアメジストが揺れた。
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