第二章 初対面

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「美味しいって感じるのは、体が欲している証拠なの。さて、始めましょうね。改めましてカウンセラーの志音です」 長い指で、名刺が 差し出された。 それを覗き込んで 優莉が、小さくお辞儀をする。 「はい、宜しくお願い致します」 志音もまた 小さくお辞儀をしてから クリアファイルから 数枚の紙を取り出し 目を通す。 「スピリチュアルは初めて?」 「はい。今まで占いって、したことがなくて…」 紙をめくっていた 志音の手が留まる。 「あら、そう。でも正確に言えば、うちは占いじゃなくて、カウンセリングなんだけどね」 「え?違うんですか?」 「そうね。占いっていうのは、『こうですよ』って結果をお伝えする感じ。カウンセリングは、『あなたがどうしたいか』を引き出す感じかな。それとスピリチュアルをプラスして、見えない部分をアシストしながら、答えを導きだすっていう感じよ」 「そう、なんですか…」 あまり、よくわかっていない 様子の優莉に、志音は いやいやと横に手を振る。 「まぁ、それはいいのよ。それで?占いには、どうして興味が湧かなかったの?」 また数枚の紙をめくりながら 志音は訊ねた。 「ん~…、占いっていうと、恋愛とかじゃないですか?だから、なんかそういうのって、私には縁がないし…」 モジモジと答える優莉に 志音は、また手を止めた。 「その自信の無さは、どこからきてるのかしら?」 「どこって…?」 不思議そうに見つめて来る 目の前の美女に、何かしら 答えなければと悩んでいるうちに 優莉は、姉の顔が浮かんだ。 「あ…たぶん、ですけど、姉と比べられて育ってきたから…かな」 「あ~、なるほどね。うんうん」 すると、一枚の紙を取り出して 志音は、納得したように頷いた。 「あなたの両親、幼いのね」 「幼い?」 今まで聞いたことのない 『数え方』に、優莉は 困惑していた。
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